歯形と速度比
歯の形がちょっと違うだけで、回転はこんなに乱れる
要点
瞬間速度比 $= \dfrac{\text{従動歯車の角速度}\,\omega_2}{\text{駆動歯車の角速度}\,\omega_1}$
基本法則接触点の共通法線が中心線上の固定点(ピッチ点)を通る → 速度比一定
インボリュート作用線が常に基礎円の共通接線 → 条件を自動的に満たす
非共役歯形共通法線の方向が変わる → ピッチ点を通らなくなる → 速度比変動
▼ 下のタブで歯形を切り替え、速度比グラフの違いを確かめてください

スペースで再生/停止 キーボード ← → でも操作可  m=1.5 / z=16 / ピッチ円直径d=24 / 圧力角α=20°  O₁=駆動 O₂=従動

0.0°
速度 低速
速度比
1.00 常に安定(共役歯形)
駆動歯車(O₁) 回転角 / 接触点数
0.0° 接触: 1点
O₁ O₂
瞬間速度比(インボリュート歯形は常に 1.00 ― 共通法線が常にピッチ点を通るため)
1.00 接触点の位置によらず常に一定 0° 180° 360°
インボリュート歯車(常に 1.00)

● ━ オレンジの線 = 作用線(Line of Action)… 常に固定方向(基礎円の共通接線)
● ○ オレンジの円 = ピッチ点(Pitch Point)… 作用線が常にこの点を通るため速度比一定
● - - - 細い破線円 = 基礎円(Base Circle)… 作用線は両基礎円の共通接線

▶ 詳細ノート(接触点・かみ合い率・2点接触)

● インボリュートは基礎円の伸開線であるため、接触点の法線方向が常に一定になる
● 接触点(赤)は従動歯車(O₂)の歯先が作用線に入る瞬間 → ピッチ点通過 → 駆動歯車(O₁)の歯先が作用線を出る瞬間まで移動し、次の歯へリセット
● かみ合い率 = 接触区間 ÷ 1歯ピッチ ≈ 33.7° ÷ 22.5° ≈ 1.50。1.0を超えた分だけ、前の歯対と次の歯対が同時に噛み合う区間(2点接触)が生じる
● 2点接触の区間では荷重が2歯対に分散されるため、荷重の急激な移り変わりが緩和され、滑らかな伝動が可能になる。カード表示が「2点」に切り替わる区間がこれに対応する

スペースで再生/停止 ← → でコマ送り z=14 / 圧力角α=26.1° / ピッチ円直径d=18.375  O₁=駆動 O₂=従動
0.0°
速度 低速
速度比(リアルタイム)
1.00 変動あり(非共役歯形)
駆動歯車(O₁) 回転角
0.0°
O₁ O₂
瞬間速度比の比較(1周分)
1.00 1.10 0.90 1.20 0.80 0° 180° 360°
インボリュート歯車(常に 1.00) 台形歯車(変動あり)

● ━ オレンジの線 = 作用線(Line of Action)… 噛み合い中に方向が変化する(非共役歯形のため)
● ○ オレンジの円 = ピッチ点(Pitch Point)

▶ 詳細ノート(速度比変動の原因)

● 台形歯車は歯面が直線のため、接触点(赤)がピッチ点から離れると速度比が変動します。
● 速度比はフランク交差の幾何(共通法線と中心線の交点)から算出しています。
● ※ 本教材の3種の歯車は歯数・寸法が異なるため、速度比の振幅の絶対値は歯形間で直接比較できません。定性的な傾向の比較としてご覧ください。
● ※ 非インボリュート歯形が常に劣るわけではありません(例:サイクロイド歯車、非円形歯車)。一定速度比を要する平行軸歯車では不利、という意味です。

スペースで再生/停止 ← → でコマ送り z=24 / ピッチ円直径d=9.75 / 圧力角α(平均)≒29.4°  O₁=駆動 O₂=従動
0.0°
速度 低速
速度比(リアルタイム)
1.00 変動あり(非共役歯形)
駆動歯車(O₁) 回転角
0.0°
O₁ O₂
瞬間速度比の比較(1周分)
1.00 1.10 0.90 1.20 0.80 1.30 0° 180° 360°
インボリュート歯車(常に 1.00) 三角歯車(変動あり)

● ━ オレンジの線 = 作用線(Line of Action)… 噛み合い中に方向が変化する(非共役歯形のため)
● ○ オレンジの円 = ピッチ点(Pitch Point)

▶ 詳細ノート(波形の特徴と算出方法)

● 三角歯形は共役条件を満たさないため、速度比が大きく変動します。
● 台形歯車(歯面が1本の直線)に比べ波形が複雑に見えるのは、三角歯形の歯面が2本の折れ線で構成されているためです。噛み合い中にフランクのセグメントが切り替わるたびに法線方向がジャンプし、速度比に段差が生じます。
● 速度比はフランク交差の幾何(共通法線と中心線の交点)から算出しています。
● ※ 本教材の3種の歯車は歯数・寸法が異なるため、速度比の振幅の絶対値は歯形間で直接比較できません。定性的な傾向の比較としてご覧ください。
● ※ 非インボリュート歯形が常に劣るわけではありません(例:サイクロイド歯車、非円形歯車)。一定速度比を要する平行軸歯車では不利、という意味です。