If AI may say so…

AIの答や出力に、(…そうじゃない…)と思ったことはありませんか? なぜうまくいかないことがあるのか? 美容室でのオーダーを例に、AIとの付き合い方を考えてみました(タイトルは、”If I may say so…(言わせてもらえるなら)” の “I” を “AI” に置き換えたものです)。

求めるものが多すぎると…

あなたが美容室に行ったとします。美容師に「かっこよくして」「かわいくして」「形と長さは変えないで」「入社式にふさわしくして」「前髪は短く」「もっと短く」と次々に注文を重ねたらどうなるでしょうか。バランスが崩れ、あなたを満足させるものが1つもないヘアスタイルになると思いませんか?

求めるものは「漠然とした要望」「過剰な制約」「部分的な指示の積み重ね」では得られません。AIへの指示でも同じことが起こります。

AIは「無理です」と言わない

人間の美容師なら「その組み合わせは無理です」「そこを短くするとバランスが崩れます」と提案してくれる。不可能な指示には自然にフィードバックが返ってくる。ところがAIは要求されたことに「それは両立しません」となかなか言えず、全部を満たす架空の答えをひねり出そうとする。結果、満足のいかない出力が返ってくる。

これはAIの限界です。AIは言語的なパターンを生成するのが得意な反面、「指示同士の矛盾を検出して、ユーザーに差し戻す」という判断が弱い。全部の要求を同時に満たそうとして、結果的にどれも満たさない出力になる。優秀な部分もあれば、弱点もある。そう捉えると、付き合い方が見えてきます。

AIを使いこなす5つのコツ

AIを使いこなすコツは「得意を引き出し、弱点はユーザーが補う」という役割分担にあります。「矛盾の検出が苦手」「全体の整合性を保ちにくい」「言語だけでは解釈のズレが起きやすい」といった弱点を踏まえて、次の5つのことを意識してプロンプトを書いていけば、もっとAIを使いこなせるようになるでしょう。

1 最初に完成像を伝える

「こうしたい」より「完成したらこう見えて、こう動いてほしい」という形で渡すと、AIは得意な「言語から具体物への変換」に集中できる。美容室なら「かっこよくして」より「こんな風にして」と写真を見せるほうが伝わるのと同じです。作業量の多い指示を出すときは「まず、あなたの理解を3行で書いて」と加えると、ズレがその場で見つかります。

2 相反する要求を並べない

「短く」と「幅広く」、「簡潔に」と「例もつけて」は両立しません。どちらを優先するか、ユーザーが決めてから指示する。両立不可能な要求を並べると、AIは妥協点を探して中庸な答えに落ち着き、どの要求も満たさない出力になります。

3 決めてほしいのか、提案してほしいのか

「これ、どうしたらいい?」は曖昧です。「決めて」「提案して」「比較して」のどれかを添えるだけで、AIの出力の性格が変わります。役割を与えられると力を発揮しやすいのです。一言添えるだけで精度が上がります。

4 うまくいかない時は、追加より作り直し

修正を重ねていくうちに、個々の指示は正しくても、全体が最初の意図からズレていくことがあります。これはAIが「局所の最適化」に強く、「全体の整合性の再構築」が苦手なために起きます。必要なら、一から作り直すほうが早いこともあります。

5 画像や具体例を見せる

「かっこよく」と言われても解釈は複数ある。画像を一枚見せれば一発で伝わる。文字だけの抽象的なやりとりはズレが起こりやすく、視覚情報があるとズレが激減します。これはAIの限界というより、言語そのものの限界でもあります。

得手不得手を知って、付き合う

AIは具体的な形にする実行力は高いが、美容師のように『あなたの望んでいること』を察してくれたりはしません。指示に従って動きます。力を引き出せるかは、ユーザー側の言語化と整理の技術にかかっている。「完璧なパートナー」であることを求めず、「得意なところは任せ、苦手なところは補う」くらいの距離感で使うと、一番自然に力を引き出せます。

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この記事は、「やたらと要求を重ねてくるユーザー」に対し、AIに本音を言わせたら? という感じで、Claude Opus(from Anthropic)と一緒に作ってみました。

コメント

  1. あやのん より:

    ナカの方が全くAIに詳しそうだ( ´艸`)

    • B.T. より:

      あやのん、いつもありがとうございます! noteに公開したのは3本目なのに、よく1本目にたどり着きましたね。2,3本、AI関連で投稿しますので、よろしくお願いします。